トップ注目研究分子カンキツ科学研究ユニット
カテゴリー バイオ、人文・社会科学、農学、食品、ゲノム、地域貢献
代表研究者 小林 括平
関連する研究者   秋田 充   羽生 剛   八丈野 孝   髙山 弘太郎   澤崎 達也   林 実   野澤 彰   森松 和也   賀屋 秀隆

〔リサーチユニットとしての目的〕

「輝く個性で地域を動かし世界とつながる大学」を目指す愛媛大学にとって,愛媛県の主力作物である柑橘に関する研究の推進は重要なミッションである.愛媛大学大学院農学研究科では,平成30年7月に発生した西日本豪雨災害からの愛媛県柑橘産業の復興を支援するとともに,柑橘産業のイノベーションに資することを目指して,平成30年12月1日に附属柑橘産業イノベーションセンターを開設した.これまで当リサーチユニット(RU)は,愛媛大学においてより多くの研究者がカンキツ研究に取り組める体制を確立する目的で,愛媛県農林水産研究所と密接な連携関係を築き,ゲノム情報活用やケミカルバイオロジーに関する技術基盤を形成してきた.今後は,それらの基盤技術を活用して柑橘産業イノベーションセンターや愛媛県農林水産研究所に多様な技術シーズを提供するとともに,さらにゲノム編集などの新技術も取り入れて柑橘生産の生物学的側面に関する基礎研究を強力に推進し,植物科学の発展に寄与するとともに,イノベーションの発信拠点として愛媛県柑橘産業の発展に貢献する.

〔リサーチユニットとしての活動実績概要〕

愛媛県農林水産研究所果樹研究センターみかん研究所と共同で,ウンシュウミカン20品種,および中晩柑5品種(愛媛果試第28号<紅まどんな>,せとか,甘平,清見,河内晩柑)の遺伝情報解析を行い,中晩柑類に共通する有用形質や単胚性に関連する遺伝子,ウンシュウミカンの浮皮に関与する遺伝子についてさらに解析中である.また,カンキツ黒点病の発生調査から既知のものとは異なる新種の病原菌も黒点病の原因となることを見出すとともに,温州萎縮ウイルスの迅速診断法開発への利用が期待されるウサギモノクローナル抗体を作製した.愛媛県の主力品種である紅まどんなや甘平で問題となっている裂果のメカニズムやカンキツの機能性成分合成経路の解明にも取り組んできた.

〔今後の活動計画概要(活動計画概要をポンチ絵を用いて示した上で,簡潔に記載すること)〕

上述の研究活動を継続・発展させるとともに,これまでに蓄積された知見を活用し,柑橘産業イノベーションセンターや愛媛県農林水産研究所の活動を支える.さらに,カンキツにおけるトゲの形成機構や生理障害・病害の発症メカニズムに関する基礎研究など,基礎生物学的に意義深いだけでなく品種改良などのイノベーションに結びつく,構成員の自由な発想に基づく研究を推進する.

 

柑橘産業イノベーションセンターや愛媛県農林水産研究所の活動

 

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