トップ注目研究有機合成化学を起点とするセンシング技術の開発と応用(難波康祐)
カテゴリー 医学、薬学、工学、バイオ、理学、基礎、歯学、創薬、光応用、生物、化学
代表研究者 難波 康祐
関連する研究者   河村 保彦   八木下 史敏   今田 泰嗣   荒川 幸弘   小笠原 正道   佐野 茂樹   中尾 允泰   中山 淳   カランジット サンギータ   山田 健一   猪熊 翼   伊藤 博夫
研究概要

特定の超微量化学物質を検知(センシング)する技術は、病気診断、環境調査、薬物判定、生命科学研究のツールなど様々な用途での利用が期待されている。当クラスターでは、特定の化学物質と反応することで、「光る」「色が変わる」「形状が変化する」など様々な変化を引き起こす有機低分子や金属錯体をセンシングの新たなツールとして開発している。
当クラスターでは既に、呼気中のメチルメルカプタン(CH3SH)と特異的に反応し蛍光を発する有機低分子センサーを開発しており、現在、本センサーの簡易歯周病診断キットとしての実用化を共同研究会社と進めている。この検討を基盤として、他の呼気成分を特異的に検知する有機分子や遷移金属錯体の開発、唾液に含まれるバイオマーカーのセンシング技術の開発と応用に取り組んでいる。またセンシングの範囲を金属イオン(特定の金属イオンがあると光る)、機械的刺激(物理的な刺激を加えると光る)、光波長(特定の波長で反応する)、pH(特定のpHで光る)、タンパク質や細菌にまで広げ、実用化を指向したセンシング技術の開発を行っている。また、複雑な天然有機化合物の全合成研究、医薬品候補化合物の合成研究、触媒反応開発、大量合成法開発、光反応開発、量子計算化学、化合物ライブラリーの構築などにも取り組んでいる。

■ 連携する学外機関

オーラルケア関連会社、製薬企業、鉄鋼メーカー、食品会社、農業関連企業、化学系企業など7件の企業共同研究が進行中(平成30年度)。

■ 研究終了後の成果(見込み)

共同研究企業と協力してセンシング技術の実用化を目指す。

 

研究クラスターNo.1802001
https://cluster.tokushima-u.ac.jp/new-cluster-list/694.html

研究者の役割分担 難波康祐、中山淳
・呼気中のCH3SHセンシング技術の実用化。病原性細菌センサー、機械的刺激センサーの開発と応用研究
佐野茂樹、中尾充泰
・呼気・唾液中のCH3SHセンシング技術の開発
伊藤博夫
・CH3SHセンシング技術の歯周病診断への応用
小笠原正道
・超微量成分を感知する超高感度遷移金属錯体の開発、センシングの基盤技術開発
Karanjit Sangita
・量子化学計算によるセンシング機構の理論的解明
河村保彦、八木下史敏
・化合物ライブラリーを利用したセンシング機能化合物の探索、プロトンセンサーおよび金属イオンセンサーの開発
山田健一、猪熊翼
・キラルジオールの不斉認識を利用する、特定糖構造センシング技術開発
今田泰嗣、荒川幸弘
・光の波長センサーとして機能するフォトレドックス触媒の開発
研究期間 2018年4月1日〜2021年3月31日
産業界へのメッセージ 有機合成化学を得意とする研究者が当クラスターに集まっています。「特定の物質を検知できる化合物が欲しい」、「こんな化合物(分子)を合成して欲しい」、「この化合物を安く入手したい」等のご要望があれば当クラスターにお気軽にご相談ください。

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