トップ注目研究メタマテリアルを用いた高感度ガスセンシング技術の開発
カテゴリー 医学、工学、基礎、臨床、歯学、光応用、材料
代表研究者 岡本 敏弘
関連する研究者   加治佐 平   江本 顕雄   山口 堅三   永松 謙太郎
吉井 一倫
  安井 武史   矢野 隆章   時実 悠
北田 貴弘
  直井 美貴   原口 雅宣   伊藤 博夫   西岡 安彦
田中 拓男:理化学研究所・主任研究員・メタマテリアル、プラズモニクス
研究概要

 本研究クラスターでは、ガス中に含まれる微量物質に起因する光吸収または屈折率変化を、「メタマテリアル」を用いた高感度化技術を用いて、ごく微量であっても定量評価が可能なガスセンシング技術を確立する。さらにこの技術の応用として、ヒトの呼気に含まれるバイオマーカーを検出可能なセンサ開発を行い、呼気で健康状態を診断できるシステム実現を目指す。

 本研究の特色である「メタマテリアル」とは、所望の特異な光学応答を示すように設計された、電磁波の波長よりも十分小さい人工構造体を多量に内包した人工機能材料のことであり、天然材料では得られない光機能を持たせることができる。例えば、光を完全に吸収し再放射しないメタマテリアルを設計すれば、その設計波長範囲内でメタマテリアル近傍に光エネルギーが集中する場を構築できる。ここに測定分子を吸着させると、反射光等にはその分子由来の光吸収や屈折率変化に伴う光信号変化が顕著に現れ、高感度計測が可能になると期待される。

 ポストLEDフォトニクス研究所には、メタマテリアルの世界的権威である田中拓男招聘教授(理研・主任研究員)を始めとして、メタマテリアル及びそれに関連の深いプラズモニクス研究者が多く所属しているほか、深紫外/赤外/テラヘルツの波長に対応した新規光源の開発研究者、バイオセンサや光計測装置の開発実績を持つ研究者が揃っており、これに医・歯学部の呼吸器内科・口腔衛生の専門家を含めたスタッフによる本研究によって、社会実装に繋がる研究成果が得られると期待される。

 

▼研究クラスターNo.1903003
https://cluster.tokushima-u.ac.jp/new-cluster-list/715.html

研究者の役割分担 岡本敏弘:可視光用メタマテリアルの開発・全体の統括
直井美貴:紫外用メタマテリアル開発
山口堅三:赤外用メタマテリアル開発
原口雅宣:テラヘルツ波用メタマテリアル開発
田中拓男:メタマテリアル部門アドバイザ
永松謙太郎:深紫外光源担当
吉井一倫:赤外光コム光源担当
北田貴弘:テラヘルツ光源担当
安井武史:テラヘルツ分光担当
加治佐平:バイオセンサ開発担当
江本顕雄:分子吸着技術,計測システム開発担当
伊藤博夫:口臭診断担当
西岡安彦:呼気診断担当
研究期間 2019年4月1日〜2022年3月31日
産業界へのメッセージ 計測したい極微量なガス分子の量に応じて光の反射率が変化する人工光機能材料「メタマテリアル」を開発し、それを用いた新しい高感度ガスセンシング技術を確立します。さらにこれを応用した呼気診断装置の実現に向けた研究を進めます。

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