トップ注目研究食用コオロギの機能性検証と生産システムの社会実装
カテゴリー 医学、バイオ、基礎、生物、栄養、食品
代表研究者 三戸 太郎
関連する研究者   櫻谷 英治   宮脇 克行
金丸 芳
  向井 理恵   杉本 真弓   石丸 善康   阪本 鷹行   渡辺 崇人
研究概要

世界的な人口増加による食糧危機や環境問題への対策の一つとして、昆虫資源の食用利用への関心が高まっている。昆虫は一般に、高タンパク質であることに加えビタミン、ミネラルや不飽和脂肪酸の含有量の点でも優れており、かつ糖質の割合が低いため、機能性食材として有望である。しかし、昆虫の食用利用推進のためには、生産性向上や、機能性や安全性に関する十分な情報の取得、食用への心理的抵抗の払拭、といった課題がある。これらの課題の克服を目指して、昨年度までに食用コオロギの効率的生産と機能性評価などに取り組んできた。これまでに、省スペース・高密度飼育が可能なコオロギ飼育装置のプロトタイプを開発した。また、食品残渣などの利用による低コスト・高栄養飼料開発が進んでいる。さらに、機能性として血糖値上昇の抑制効果を示すデータやアレルギー評価など安全性に関する知見を得ている。本研究課題においては、上記の成果を発展させ、機能性食品としての食用昆虫の生産システムの社会実装を目指す。食用コオロギの大量・安定供給システムの実用化を図る。一方、機能性についての研究を発展させ、高付加価値の昆虫加工食品を開発する。糖尿病予防・改善効果に加え、肥満予防などにも焦点を当て、検証を行う。

 

▼徳島大学研究クラスターNo.1802002
https://cluster.tokushima-u.ac.jp/new-cluster-list/718.html

研究者の役割分担 三戸:研究の総括:食用コオロギの高栄養化と安定生産システムの構築
宮脇:植物工場の技術応用による生産システムの開発
渡邉:飼育装置開発と生産性評価
櫻谷:高栄養コオロギ飼料の開発
阪本:高栄養コオロギ飼料の大量生産システム構築
金丸:コオロギの加工方法の確立と安定性評価
向井:コオロギの栄養価と機能性の評価
石丸:コオロギの機能性・安全性評価に関わる動物実験
杉本:コオロギアレルギーのリスク評価と予防・診断に関する検討
研究期間 2018年4月1日〜2021年3月31日
産業界へのメッセージ フタホシコオロギはタンパク質が豊富で栄養価が高く大量生産も可能であり、新たな食料資源として大変有望です。食用利用を推進するための機能性研究や、生産の効率化のための新しい飼育装置開発などを進めています。

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