カテゴリー | 医学、基礎、創薬 |
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代表研究者 | 佐藤 正大 |
関連する研究者 |
西岡 安彦
河野 弘
小山 壱也
香川 耕造
内藤 伸仁
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内容 |
徳島大学 令和3年度 若手研究者学長表彰 研究成果報告 【研究グループ】 徳島大学大学院医歯薬学研究部呼吸器・膠原病内科学分野 医員 今倉健 【研究概要】 特発性肺線維症は原因不明の慢性肺線維化疾患で、難病指定を受けている予後不良の呼吸器疾患です。現在、特発性肺線維症の治療には2種類の抗線維化薬が認可されていますが、期待されるのは慢性的な呼吸機能の低下の抑制に留まるなど、未だ限定的な治療効果しか見込めないのが実情です。そのため更なる治療効果の向上のため、新たな治療標的分子の発見や新規治療薬の開発が求められています。このような背景から、我々の研究グループは、特発性肺線維症の細胞分子病態の解析と創薬への応用を目指した研究を進めてきました。 【今後の展望(研究者からのコメント)】 2018年に線維細胞の分化抑制作用を有するペントラキシン2による治療は、特発性肺線維症の患者さんの肺機能減少を抑制しえるとした第Ⅱ相臨床試験結果が発表され、線維細胞は新たな治療標的候補として大きな注目を集めています。特発性肺線維症の患者さんに対するペントラキシン2の第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照試験も、まもなく開始されようとしています(2022年1月時点)。 このように、今後、線維細胞を標的とした戦略が、新たな特発性肺線維症の治療に組み込まれていくことが期待されています。我々は線維細胞に着目した基礎研究を継続することで、特発性肺線維症の分子メカニズムを解明し、更なる治療薬開発に結びつけていきたいと考えています。
▼徳島大学研究成果(2022年2月2日発表) |