カテゴリー | 医学、基礎、栄養 |
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代表研究者 | 上番増 喬 |
内容 |
徳島大学 令和2年度 若手研究者学長表彰 研究成果報告 【研究経緯等】 徳島大学医歯薬学研究部予防環境栄養学分野のグループは、食事からの栄養素が欠乏した際に、腸内細菌叢がどのような働きを有しているのかについて、ビタミンB群の欠乏をモデルに検証を行いました。その結果、食事からのビタミンB2が欠乏した際に腸内細菌叢が宿主のビタミンB2欠乏が生じないように働いていることを明らかにしました。また、抗生物質により腸内細菌叢を破綻させるとこの作用が失われ、より早期からビタミンB2欠乏が生じました。これらの研究結果は、英文学術誌Nutrientsにオンライン掲載されました(Nutrients. 2020 Mar 11;12(3):736. doi: 10.3390/nu12030736.)。 【今後の展望(研究者からのコメント)】 この研究成果は、腸内細菌叢が宿主の栄養素摂取不足に対する防御機構として機能していることを示しており、腸内環境を適正に整えることで、短期的な栄養素摂取不足に対する抵抗力を高めることができると考えられます。また、今後の研究の進展により、腸内細菌叢が宿主の栄養状態に及ぼす影響を詳細に明らかにすることで、新しい栄養不良の予防法の確立や、栄養不良の早期発見を可能にする判定指標確立等に繋がることも期待できます。
▼徳島大学研究成果(2021年2月8日発表) |