トップ注目研究運動器健康科学研究ユニット
カテゴリー 医学、基礎、臨床、保健
代表研究者 今井 祐記
関連する研究者
三浦 裕正
  伊賀瀨 道也   岸田 太郎   西 甲介

設置目的

わが国では2013年以降、総人口に占める65歳以上の老年人口の割合(高齢化率)が25%を超え、超高齢社会に突入した。これは、さまざまな慢性疾患に対する医学的な管理が向上し、高齢者の生命予後が著しく改善してきた結果であり、わが国は世界に冠たる長寿国になった。総人口の減少に伴い、今後益々高齢化率が上昇し、2060年には40%に達すると推定されている。一方で、介護が必要な高齢者も激増しており、介助を必要とせず自立した生活ができる期間、すなわち健康寿命と平均寿命とのギャップが大きな社会問題になっている。わが国における平成25年度の調査では、要介護・要支援の要因の23%以上を運動器疾患が占めており、運動器疾患(ロコモティブシンドローム)への対策は、健康長寿社会を目指す上で避けて通ることができない問題である。運動器の健康を獲得するためには、運動器の健康を科学し、ロコモティブシンドロームを克服することが必要不可欠である。このような背景のもと、食品科学(農学部、教育学部)と運動器臨床医科学(医学部、附属病院、抗加齢・予防医療センター)、基礎医科学(PROS, ADRES)が多様に連携し、骨、筋肉、関節を対象として、学術研究を展開する。中でも、食品および栄養素の機能解析によりその作用メカニズムを明らかにするのみならず臨床研究を行うことで、運動器の維持、疾患予防、回復を中心に実際の健康増進に寄与し健康長寿の獲得へと前進することを、本リサーチユニット(RU)設置の目的とする。

運動器健康科学研究ユニットの図

  • 食品科学班から提案された候補因子を臨床医科学班がその効能について整形外科および抗加齢・予防医療センターを中心として臨床研究を行う。また基礎医科学班との連携により、運動器(骨、筋、軟骨など)を対象にスクリーニングした食品またはその機能成分の作用機序および分子メカニズムを解析する。各研究班の相互共同研究により、食品成分や分子について遺伝子組換えマウスや疾患モデルを用いて分子メカニズムの解明を実施する。また臨床医科学班から提供される運動器疾患患者から得られたサンプルのゲノムワイド解析や臨床データベースを、統合的に解析することで、疾患病態の理解や新規健康促進・予防・治療標的の探索を行う。
  • 各グループの進捗状況を共有し、共同研究を推進することや、外部有識者からのアドバイスを有効に取り入れるために、年に1-2回を目途に、「運動器健康科学フォーラム」と題したRUが基盤となった研究会を開催する。

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