トップ注目研究PET-CTを用いたサルコペニアの画期的診断法の開発を目指した研究
カテゴリー 医学、基礎
代表研究者 阪上 浩
関連する研究者
堤 理恵
黒田 雅士
  大谷 環樹   親泊 政一
土居 久志(理化学研究所・生命機能科学研究センター・チームリーダー)
崔 翼龍(理化学研究所・生命機能科学研究センター・ユニットリーダー)
小川 渉(神戸大学大学院医学研究科・教授・糖尿病・内分泌内科学)
岡松 優子(北海道大学大学院獣医学研究科・講師・生化学教室)
研究概要

サルコペニアは、筋肉量および筋肉の機能の減少として定義されるが、骨格筋の機能を正確かつ低侵襲または非侵襲で測定する方法が未だ確立されていない。本研究では、これまで握力や歩行速度などしか評価できなかった骨格筋機能をPositron-emission tomography (PET)-CT検査にて評価する方法を確立し、サルコペニアの早期診断、さらには効率的な治療薬開発支援に貢献することを最終目標とする。
本研究では筋肉の機能をより正確に、かつ多角的に評価するために、糖取り込み評価としてのFDGプローブと、アミノ酸取り込みのプローブとしての[11C-]標識ロイシンプローブの2種を組み合わせることで評価する。これにより信頼性の高い筋肉の機能異常を検出できると考えられる。サルコペニアにおける筋肉機能低下の早期検出システムを確立し、さらにそのシステムを用いて栄養および運動の予防・治療効果を明らかにするため、以下の4項目に関して研究を実施する。

  1. 1.加齢モデルおよび疾患モデル動物における筋肉量減少時の細胞機能性の評価
  2. 2.骨格筋におけるアミノ酸取り込み評価可能なPETプローブの確立
  3. 3.糖およびアミノ酸取り込みプローブを用いた疾患モデルにおける骨格筋機能評価系の確立
  4. 4.筋機能低下状態(プレサルコペニア状態)における栄養および運動介入の効果の検討

 

筋量が低下する前の状態にてサルコペニアの予備群を診断して、運動療法や栄養療法などによってサルコペニア発症を予防することは、自立した生活ができる健康寿命を延伸させることに貢献し、加齢による身体機能の障害、転倒・骨折の罹患率を低下させる。さらには低栄養や疾患などに関連する死亡率を低下させることで、行政及び社会への貢献、国民の保健・医療・福祉の向上などの社会的貢献も果たすことができる。

 

▼徳島大学研究クラスターNo.1803009
https://cluster.tokushima-u.ac.jp/new-cluster-list/679.html

 

研究者の役割分担 阪上 浩:研究の統括、研究の推進
堤 理恵:動物遺伝子関連解析
黒田 雅士:メタボローム解析
土居 久志:[11C-]標識ロイシンプローブの開発
崔 翼龍:モデル動物の骨格筋アミノ酸取り込み評価
大谷 環樹:モデル動物の骨格筋糖取り込み評価
親泊 政一:モデル動物の作製と提供
小川 渉:モデル動物の作製と提供
岡松 優子:モデル動物の作製と提供
研究期間 2018年4月1日〜2021年3月31日
産業界へのメッセージ サルコペニアにおける筋肉機能低下の早期検出システムを確立し、さらにそのシステムを用いて栄養および運動の予防・治療効果を明らかにするため、PET-CT検査にて評価する方法を検討しています。

カテゴリー