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吉田 文美
徳島大学
2024年12月20日更新
- 職名
- 准教授
- 電話
- 088-656-7124
- 電子メール
- yoshida.ayami@tokushima-u.ac.jp
- 学歴
- 1982/9: アメリカ合衆国インディアナ州ボール州立大学留学(1983年7月まで)
1985/3: 岡山大学文学部卒業
1985/4: 岡山大学大学院文学研究科修士課程入学
1987/3: 岡山大学大学院文学研究科修士課程修了 - 学位
- 文学修士 (岡山大学) (1987年3月)
- 職歴・経歴
- 1987/4: 岡山県立落合高等学校教諭
1988/4: 鳴門教育大学英語教育講座助手
1990/10: 徳島大学総合科学部講師
1994/4: 徳島大学総合科学部助教授
- 専門分野・研究分野
- アイルランド文学 (Irish Literature)
英文学 (English Literature)
2024年12月20日更新
- 専門分野・研究分野
- アイルランド文学 (Irish Literature)
英文学 (English Literature) - 担当経験のある授業科目
- Academic English Ⅰ(日本文化・時事発信型英語) (学部)
Academic EnglishⅠ (学部)
Extensive Reading (学部)
Extensive Reading(仮進級用) (学部)
Extensive Reading(英語文法・語彙構築プログラム) (学部)
コース配属ガイダンス (学部)
ジェンダー論 (学部)
主題別英語 (共通教育)
卒業研究 (学部)
国際教養コースゼミ配属ガイダンス (学部)
国際教養コース卒業研究提出 (学部)
国際教養コース連絡 (学部)
地域創成特別演習 (大学院)
基盤英語 (共通教育)
英語圏文化特論 (大学院)
言語メディア研究演習Ⅰ(Seminar in Language and Media Ⅰ) (学部)
言語メディア研究演習Ⅱ(Seminar in Language and Media Ⅱ) (学部) - 指導経験
- 23人 (学士), 2人 (修士)
2024年12月20日更新
- 専門分野・研究分野
- アイルランド文学 (Irish Literature)
英文学 (English Literature)
- 研究テーマ
- 現代アイルランド英語詩および小説 (アイルランド (Ireland), 英語詩 (English poetry), 現代アイルランド文学 (modern Irish literature), イェイツ, マッガキアン, アイルランドの詩 (Irish poetry), アイルランド文学 (Irish literature), アイルランド小説 (Irish novels), ジョンストン, フランク·オコナー) (W.B. イェイツ
メーヴ·マッガキアンを中心とした現代アイルランド英語詩およびジェニファー·ジョンストン
フランク·オコナーを中心とした現代アイルランド英語小説の研究)
現代英米詩 (英語詩 (English poetry), 現代詩 (Modern poetry), 詩 (poetry), 英米文学 (British and American literature)) (19世紀以降の英米現代英語詩の研究)
- 著書
- 風呂本 武敏, 吉田 文美, 井勢 健三, 赤井 敏夫, ケリー リチャード, 森 尚也, ボスマン ラルフ, 佐野 哲郎, 伊藤 範子, 虎岩 直子, 三宅 伸枝, 池田 寛子 :
近·現代的想像力に見られるアイルランド気質, --- 理想と現実の狭間で-Frank O'Connor ---,
渓水社, 広島, 2000年2月.- (要約)
- 平成11年度科学研究費補助金「研究成果公開促進費」助成出版.近·現代のアイルランドの小説,短編小説について,より広い文化的コンテクストの中での解釈を試みた研究会の成果をまとめたものである.吉田は第4章「理想と現実の狭間で〈Frank O'Connor〉」(71-86ページ)を執筆.ジャック·ラカンの鏡像段階論を参考にして,フランク·オコナーの短編作品における主人公たちの自己認識およびオコナーの自伝 An Only Child に描かれたオコナー自身の体験との関連について考察した.オコナーの短編に登場する若い主人公が理想の自己を見いだそうとして失敗するというストーリーには,オコナー個人の挫折や失敗の経験が反映されているだけでなく,当時のアイルランドという国の状況が反映していると結論づけた.
- (キーワード)
- 現代アイルランド短編小説 / フランク オコナー
- 論文
- 吉田 文美 :
ジェニファー・ジョンストンの Two Moons--母と娘の葛藤,そして天使の役割--,
ハイペリオン, Vol.66, 23-42, 2020年.- (徳島大学機関リポジトリ)
- ● Metadata: 115794
- (文献検索サイトへのリンク)
- ● CiNii @ 国立情報学研究所 (CRID): 1050020840088211584
(徳島大学機関リポジトリ: 115794, CiNii: 1050020840088211584) Ayami Yoshida :
Masculinity Denied in Jennifer Johnston's How Many Miles to Babylon?,
Journal of Irish Studies, Vol.33, 45-53, 2018.- (キーワード)
- Jennifer Johnston / Ireland / World War I / アイルランド文学 (Irish literature)
- (文献検索サイトへのリンク)
- ● CiNii @ 国立情報学研究所 (CRID): 1521699231110873856
(CiNii: 1521699231110873856) 吉田 文美 :
銃後の農村,兵士の憂鬱~Edward Thomasの "As the team's head-brass''~,
ハイペリオン, Vol.61, 1-25, 2015年.- (キーワード)
- エドワード・トマス / 英語詩 (English poetry) / 戦争詩人 / 第一次世界大戦
- (徳島大学機関リポジトリ)
- ● Metadata: 113998
- (文献検索サイトへのリンク)
- ● CiNii @ 国立情報学研究所 (CRID): 1050583647829554432
(徳島大学機関リポジトリ: 113998, CiNii: 1050583647829554432) 吉田 文美 :
Medbh McGuckianの詩,
イェイツ研究, No.28, 77-84, 1997年.- (要約)
- Medbh McGuckian(1950-)の詩は,その不可解な内容から意味不明との批判にされされてもいるが,フェミニズム批評の立場を取る研究者やポスト構造主義,特にクリステヴァの言語論に影響を受けた研究者から,抑圧された女性的原理や原記号作用を解放し,言語の意味や構造の解体·再構築を目指すものとして積極的な評価を得てもいる.この論文では,マッガッキアンの詩集Marconi's Cottage (1991)から,特に2編の作品を取り上げて,それぞれフェミニズム批評およびクリステヴァの言語論に基づく解釈を試み,両者の手法がマッガッキアンの作品の解釈には有効な方法となり得ることを示唆した.「イェイツ研究」28号における特集Modern Irish Poets After Seamus Heaney に掲載された.
- (キーワード)
- マッガキアン
Women in Jennifer Johnston's Novels,
The Harp, No.11, 52-56, 1996.- (要約)
- 第12回IASAIL-JAPAN国際大会第1日目(1995年9月30日)シンポジアムWomen and Irish Novelsにおける研究発表に加筆·訂正をしたもの.ジェニファー·ジョンストンの作品のうちThe Captain and Kings(1972),The Gates(1973),How Many Miles to Babylon?(1974),The Old Jest(1979),The Christmas Tree(1981),The Railway Station Man(1984),Fool's Sanctuary(1987)に登場する主要な女性登場人物について概説し,作品の中での彼女たちの役割について論じた.ジョンストンの作品のアングロ·アイリッシュ女性たちは,しばしば周囲の人々と対照されるされる形でアングロ·アイリッシュが取りうる政治的な立場を代表する機能を果たしているとともに,現代アイルランド社会で女性が直面しうる困難を反映している.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
- MISC
- 吉田 文美 :
悲劇の記憶ーJennifer Johnston の The Gingerbread Womanー,
ハイペリオン, Vol.70, 13-35, 2024年.- (キーワード)
- ジェニファー・ジョンストン / ジンジャーブレッド・ウーマン / アイルランド小説 (Irish novels)
- (徳島大学機関リポジトリ)
- ● Metadata: 119622
(徳島大学機関リポジトリ: 119622) 吉田 文美 :
ヌーラ·ニー·ゴーノルの"Geasa"について, --- メーヴ·マクガッキアンの英語訳"The Bond"による解釈 ---,
ハイペリオン, No.47, 1-10, 2001年.- (要約)
- アイルランド詩人Nuala ní Dhomhnall (1952- )の作品"Geasa"について,メーヴ·マックガッキアンの英語訳"The Bond"に基づいて解釈を行った.この作品は,アイルランド語で詩作するニー·ゴーノールの詩人としての決意を表明しているとともに,読者が限定される言語で創作を行うことに対する不安を表したものであるとした.
- (キーワード)
- ヌーラ·ニー·ゴーノル / マッガキアン
W. B. イェイツの母,
鳴門英語研究, No.11, 23-32, 1997年.- (要約)
- 詩人W. B.イェイツの人生と作品に大きな影響を与えた女性たちとしては,モード·ゴンやオーガスタ·グレゴリー,オリヴィア·シェイクスピアなどがあげられることが多いが,彼女たちよりもイェイツにとっては,より身近な存在であったはずの母親スーザンについては,語られることが少ない.この論文では,W.M.マーフィーやギフォード·ルイスのイェイツの家族についての著作や詩人自身の著作を参考にして,母親スーザンがイェイツの作品に与えた影響について考察した.
- (キーワード)
- イェイツ
ジェニファー·ジョンストンの母親像,
鳴門英語研究, No.10, 189-196, 1996年.- (要約)
- 第12回IASAIL-JAPAN国際大会第1日目(1995年9月30日)シンポジアムWomen and Irish Novelsにおける研究発表からジョンストンの小説に登場する母親たちについて分析した部分のみを抜粋し,加筆·訂正を加えたもの..ジョンストンの作品に登場する母親たちは,しばしば自分の家族の人生を破滅に追い込むような女性として描かれる.そのため,ジョンストンの小説自体に否定的な目を向ける評者も多いが,ジョンストンは冷酷で身勝手な母親像を作り上げることで単に女性に対する嫌悪感を煽っているのではなく,気にそまない結婚に甘んじた結果,周囲を不幸にしていく女性を描くことで,女性の持つエネルギーを破滅をもたらす力に変えることもある結婚のあり方を批判しているとした.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
W. B. イェイツとシェイマス·ヒーニー, --- 作品におけるゲール的要素 ---,
ハイペリオン, No.42, 43-52, 1995年.- (要約)
- W. B. イェイツとシェイマス·ヒーニー(Seamus Heaney, 1939- )の作品におけるゲール的要素に着目して,比較を試みた.イェイツは, 初期の作品においてはゲール的な題材を好んで取り上げたが,後期の詩では,ルネサンス期のイタリア文化や中世以前のビザンチン文化,アングロ·アイリッシュ·プロテスタントの伝統にこだわる傾向が強くなっている.それに比べて北アイルランドの農家出身のヒーニーは,初期の作品においてイェイツには見られない農民の苦難に対する共感が強い.加えて,1975年発表の詩集Northからは,引き続き北アイルランドの「土地」を題材にしながらも,アイルランドと縁の深い北ヨーロッパの国々の入り組んだ歴史をたどっている.そして,ゲールの伝統も一般にはそれと対立すると解釈されるヴァイキングや英国系の人々がアイルランドに残した文化も,共に現代のアイルランドを作り上げたものとして包み込む視点を与えているとした.
- (キーワード)
- イェイツ / ヒーニー
アイルランド人になりそこなったイェイツ,
徳島大学総合科学部言語文化研究, No.2, 1-28, 1995年.- (要約)
- 日本比較文化学会関西支部月例会(1994年7月23日)での発表「アイルランド人になりたかったイェイツ」に加筆訂正を加えたもの.W.B.イェイツは,一般にはアイルランド文芸復興に尽くした作家として知られているが,現在のアイルランドには彼をアイルランド人と見なさない人々も多い.イェイツに対する多くの人々の冷淡さを理解するには,彼が17世紀以降にアイルランドに移住したニュー·イングリッシュのプロテスタントであることを認識しておく必要がある.イェイツ自身は自らをアイルランド人と見なしてはいたが,パーネルの失脚事件などによりアイルランドのナショナリストたちに対して冷淡な態度を取るようになり,アングロ·アイリッシュ·プロテスタントの伝統を偏重するような発言を繰り返すようになる.このような発言が,彼が多くの人々にアイルランド人と認められない理由の一つになっているとした.
- (キーワード)
- イェイツ
- (徳島大学機関リポジトリ)
- ● Metadata: 345
(徳島大学機関リポジトリ: 345) 吉田 文美 :
ジェニファー·ジョンストンの挑戦, --- The Invisible Worm における新展開 ---,
ハイペリオン, No.40, 41-52, 1993年.- (要約)
- 当時発表後まもなかったジェニファー·ジョンストンのThe Invisible Worm(1992)を取り上げた.この作品の主人公のローラは,現代のアイルランドの暗部を体現する女性として描かれている.彼女が不幸な過去を振り返り,その浄化を試みる過程に,現代のアイルランドの抱える問題が解決される希望を示しながらも,そのような解決が容易でないことも暗示しようとした作品であり,今までの作品のように主人公に死や逃避という結末を与えない点に新しい方向性が見られるとした.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
エミリー·ディキンソンの宝石,
ハイペリオン, No.39, 46-53, 1992年.- (要約)
- アメリカの詩人Emily Dickinson (1830-1886) の作品における宝石に関する語の使用について分析し,ディキンソンにおいて「宝石」のイメージは,大きく分けて(1)色彩を表現するため,(2)目には見えないものを,視覚から受ける効果を利用して表現するため,(3)宝石にまつわる象徴的な意味によって何らかの抽象的な概念を表現するため,につかわれていると指摘した.
- (キーワード)
- エミリー·ディキンソン
The Death of the Dioscuri, --- -On Jennifer Johnston's How Many Miles to Babylon? ---,
Journal of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, The University of Tokushima (Humanities), No.5, 25-44, 1992.- (要約)
- ジェニファー·ジョンストンのHow Many Miles to Babylon? (1974)について,主人公のアレクサンダーとその友人ジェリーの関係が象徴しうるものに着目して,詳細な分析を行った.ジョンストンは,しばしばW. B. イェイツの詩に触発されたイメージを作品中に盛り込むが,この作品ではイェイツが書いた白鳥のイメージを使って,アレクサンダーとジェリーをギリシャ神話中のthe Dioscuri--トロイを滅ぼすきっかけとなった美女ヘレナの兄弟であり,同じく白鳥の卵から生まれたとされるカストールとポルックス--と同等の存在として描いている.アイルランドの独立とは関わりのない戦争で死んだ若者の姿をトロイ戦争の前に,無益な戦いで死んだとされている神話中の兄弟に重ねあわせることで,アングロ·アイリッシュとアイリッシュとの融和の可能性を描くとともに,現代アイルランド史では黙殺されることの多い第1次世界大戦でのアイルランド人戦死者に対する哀悼を表す作品となっていることを指摘した.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
ジェニファー·ジョンストンの世界,
鳴門英語研究, No.5, 209-218, 1991年.- (要約)
- 日本英文学会中国四国支部第43回大会(1990年10月27-28日)における研究発表に加筆·修正を加えたもの.北アイルランド在住の作家Jennifer Johnston (1930- )のHow Many Miles to Babylon? (1974)とFool's Sanctuary (1987) を取り上げ,これらの作品の特質を紹介しようと試みた.同じ作家の手になるものだが,10年以上の時を隔てて書かれた2作品には,その骨組みにおいて似通った点はあるものの,明らかな違いも見受けられる.特に階級間の対立意識や地主階級の生活の描き方に変化があり,人の自由な生き方を阻むものが政治的な信条の違いによる対立を暴力的な手段によって解決しようとする態度であるとの認識がうかがえると指摘した.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
Half Lion, Half Child, --- On Edna O'Brien's The Country Girls Trilogy ---,
Research Bulletin of Human and Social Sciences, Naruto University of Education, No.5, 151-173, 1990.- (要約)
- アイルランド出身の小説家Edna O'Brien (1932- )のThe Country Girls Trilogy (The Country Girls: 1960, The Lonely Girl: 1962, Girls in Their Married Bliss: 1964)を取り上げ,作家自身のエッセイ"Why Irish Heroines Don't Have to Be Good Anymore"を参照しながら,現代アイルランドの田舎育ちの若い女性である2人の主人公に焦点をあてて分析をした.オブライエンは,この3部作の主人公たちをアイルランドの伝説にまでさかのぼる文学上,または歴史上の強い女性像の系譜に連なるものとして創作し,ヴィクトリア朝時代のイングランドの影響を強く受けたおとなしく慎ましいヒロインとは異なる,伝説上の強く猛々しい女性像を現代的な状況の中に再現しようと試みている.その試みは,作品の中で女性があらゆる因習や社会通念から自由な生き方ができる可能性を示すことで,ある程度は成功している.しかしながら,そのような生き方を選び取れる女性の人物像の造形には,いささか現実離れした面があり,不満が残るとした.
- (キーワード)
- エドナ·オブライエン / The Country Girls
アイルランドの過去と現在, --- ジュリア·オファレインのNo Country for Young Men ---,
鳴門英語研究, No.4, 31-39, 1990年.- (要約)
- アイルランドの小説家Julia O'Faolain (1932- )のNo Country for Young Men (1980)について考察.1922年のアイルランド内戦時に謎の死を遂げたアイルランド系アメリカ人青年と,現代のアイルランドにその青年の死の真相を追求する映画の製作を目的としてアイルランドにやってきたアメリカ人青年の両者がたどる運命を平行して描くことで,過去の出来事が現代のアイルランド社会に残した傷跡を鋭くえぐりだした作品と紹介した.
- (キーワード)
- ジュリア·オフェイロン
The Awareness of Solitude, --- On "The Genius" by Frank O'Connor ---,
Naruto English Studies, No.3, 16-26, 1989.- (要約)
- アイルランドの作家Frank O'Connor (1903-1966) の短編"The Genius"についての分析を行った.作家の実体験に基づいている作品ではあるが,感傷的な回想録などではなく,自らを「天才」と思いこんでいる幼い子どもの姿を通じて,人間一般が陥る可能性のある不条理と孤独について描いた作品と評価した.
- (キーワード)
- フランク·オコナー
エディーンの選択, --- イェイツの『二人の王』について ---,
ペルシカ, No.16, 87-97, 1989年.- (要約)
- W. B. イェイツの物語詩「二人の王」(原題"The Two Kings",1912年作)をこの作品のもとになったアイルランド伝説「エティーンへの求愛」の各種ヴァージョンや再話などと比較し,その特徴と作品の意義について考察した.イェイツの「二人の王」では,元の伝説や再話とは全く違った場面が創作されているばかりでなく,妖精王がエディーンに共に妖精の世界に戻ることを迫る部分を中心とした構成となっている.そのような構成の中で,もとの伝説では運命のままに流されていく頼りなげな女性としてのイメージが強いエディーンが,人間らしい感情と強い意志を持った存在として描かれており,彼女がこの作品の中で行う「選択」を通じて,人間の限りある命が,はかないが故にかけがえのないものとして呈示されていると指摘した.
- (キーワード)
- イェイツ / 二人の王
Return from Fairyland, --- On the Early Works of W. B. Yeats ---,
Persica, No.14, 87-104, 1987.- (要約)
- W. B. Yeats (1865-1939)の初期の作品を取り上げ,イェイツが初期の感傷的な作風から脱却していった経緯について分析した.幼少時から,アイルランドの伝説や民話中に登場する妖精の存在を重視していたイェイツは,この世の苦しみから逃避できる理想の場所を象徴するものとして,妖精の住む国のイメージに強く惹かれ,特にThe Wandering of Oisin をはじめとする初期の作品で,妖精にまつわる民話や伝説をモチーフとして使った.このことは,人間の本質を洞察するための一手段として有効と思われる面もあるが,彼の初期作品をいささか感傷的なものにしている.しかしながら,1889年にモード·ゴンという女性と出会ったのを境に,妖精の国のイメージはイェイツの作品の中で変質しはじめ,苦しみのない理想郷としてだけでなく,人間を破滅に追い込みかねない強い願望の象徴としても描かれるようになる.やがて,モードが別の男性との結婚に踏み切ったことで,イェイツは自身の初期作品を批判的な目で見るようになるが,結局のところ,この詩人が初期作品に見られる感傷的な甘さを克服するには,これが良い契機となったことを示唆した.
- (キーワード)
- イェイツ
- 総説・解説
- 吉田 文美 :
Medbh McGuckien の The Flower Master を読む--詩の翻訳 (1)--,
ハイペリオン, Vol.59, 33-46, 2013年3月.- (要約)
- アイルランドの詩人Medbh McGukienの詩集The Flower Master の詳細な読解と日本語訳を試みた.読解の上で必要と思われる注釈をつけている.
Book Review: Masaya Shimokusu, Fairy Ireland: a Literary History of "Changelings" [Yohsei no Ireland: "Torikaego" no Bungakushi].,
Journal of Irish Studies, Vol.21, 146-148, 2006.- (要約)
- 下楠昌哉著『妖精のアイルランド--「取り替え子」(チェンジリング)の文学史』(2005年,平凡社)の書評.一般読者向けの新書であるが,研究者にとっても刺激的な議論を含む本である.イェイツやブラム・ストーカーなど日本でも広く知られている作家を中心に取り上げ,それぞれの作家について読者が持っているステレオタイプを崩していくような視点を与える魅力的な著作と評価した.
CALL, --- その可能性と問題点 ---,
徳島大学高度情報化基盤センター広報, No.10, 34-38, 2003年12月.- (要約)
- 平成15年2月より,徳島大学の教育·研究用システムの改変により新設されたCALLシステムについての概説.授業での使用者の一人として,他大学の施設および徳島大学内の同種の設備についても紹介しながら,その問題点と可能性について指摘した.
- (キーワード)
- CALL / 外国語教育 / 英語教育
書評: 大野光子著『イェイツとアングロ·アイリッシュ文学の伝統-植民地 /帝国のジェンダー意識考察』,
イェイツ研究, No.33, 125-126, 2002年8月.- (要約)
- 大野光子著『イェイツとアングロ·アイリッシュ文学の伝統--植民地/帝国のジェンダー意識考察』についての書評.ポストコロニアル研究の視点をイェイツの作品解釈の鍵として提示した本書の魅力を認めながらも,そのポストコロニアル研究の視点が十分に生かして議論が尽くされていない点について不満と評した.
- (キーワード)
- イェイツ
- 講演・発表
- Ayami Yoshida :
A Decaying Hidden Tree--On Jennifer Johnston's Fool's Sanctuary--, --- On Jennifer Johnston's Fool's Sanctuary ---,
International Association for the Study of Anglo-Irish Literature, International Conference, Dublin, Jul. 1992.- (要約)
- ジェニファー·ジョンストンのFool's Sanctuary (1987) を取り上げ,W.B.イェイツの"A Prayer for My Daughter"と比較した.イェイツが讃美し,心の拠り所としていたアングロ·アイリッシュ地主階級の理想像が,1920年代のアイルランドの政情不安の時代に,いかに無力なものであったかを,ジョンストンはこの作品で鋭く指摘しているとした.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
生と死を謳う詩~現代英語詩人の作品を中心に,
2023年3月.- (キーワード)
- 現代英語詩
"Vacillation",
第304回イェイツ研究会例会, 2022年12月.- (キーワード)
- W. B. イェイツ,Vacilliation
北と南,親と子—Jennifer JohnstonのThe Gingerbread Woman,
日本イェイツ協会 第55回大会 (愛知学院大学 名城公園キャンパス), 2019年11月.- (キーワード)
- ジェニファー・ジョンストン / アイルランド (Ireland) / アイルランド文学 (Irish literature) / アイルランド小説 (Irish novels) / The Gingerbread Woman
Masculinity Denied in Jennifer Johnston's How Many Miles to Babylon?,
IASIL Japan The 34th International Conference, Oct. 2017.- (要約)
- アイルランドの作家ジェニファー•ジョンストンの小説How Many Miles to Bablylon? (1974)について再考した.主人公および物語の語り手であるアレックが信頼性の疑われる語り手であることに注目しながら,主要登場人物の分析を行い,第1次世界大戦中の主人公たちの経験が,戦争と結びついた男らしさに対する疑義を提示しているものではないかとした.
- (キーワード)
- アイルランド小説 (Irish novels) / Jennifer Johnston / How Many Miles to Babylon? / 第1次世界大戦と文学 / Masculinity
Jennifer Johnston の Two Moons について,
日本イェイツ協会 第49回大会, 2013年10月.- (要約)
- アイルランドの作家ジェニファー•ジョンストンの小説Two Moonsについて考察した.この作家には珍しく「天使」や「幽霊」が登場する作だが,対照的な母と娘の姿に現代の女性が抱えるジレンマが象徴されているとした.
- (キーワード)
- アイルランド小説 (Irish novels) / Jennifer Johnston / Two Moons
イズールトへの私信としてのPer Amica Silentia Lunae,
日本イェイツ協会第38回大会シンポジウム2「Per Amica Silentia Lunaeを読む」, 2002年9月.- (要約)
- 日本イェイツ協会第38回大会第2日目のシンポジウム「Per Amica Silentia Lunae を読む」における発表.W·B·イェイツのエッセイ Per Amica Silentia Lunae (1917) が,イズールト·ゴンにあてて書かれていることに着目して,このエッセイの性格について考察した.
- (キーワード)
- イェイツ / ペル·アミカ·シレンティア·ルーナエ
On Jennifer Johnston,
The 12th Conference, International Association for the Study of Anglo-Irish Literature, Symposium "Women and Irish Novels", Sep. 1995.- (要約)
- 第12回IASAIL-JAPAN国際大会第1日目(1995年9月30日)シンポジアムWomen and Irish Novelsにおける研究発表.ジェニファー·ジョンストンの作品に登場する女性について概説し,作品の中での彼女たちの役割について論じた.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
アイルランド人になりたかったイェイツ,
日本比較文化学会関西支部月例会, 1994年7月.- (要約)
- W.B.イェイツは,一般にはアイルランド文芸復興に尽くした作家として知られているが,現在のアイルランドには彼をアイルランド人と見なさない人々も多い.その理由について,考察を行った.
- (キーワード)
- イェイツ
ジェニファー·ジョンストンの世界,
日本英文学会中国四国支部第43回大会, 1990年10月.- (要約)
- 北アイルランド在住の作家Jennifer Johnston (1930- )のHow Many Miles to Babylon? (1974)とFool's Sanctuary (1987) を取り上げ,これらの作品の特質を紹介しようと試みた.
- (キーワード)
- ジェニファー·ジョンストン
エディーンの選択, --- イェイツの『二人の王』について ---,
第3回鳴門教育大学英語教育学会, 1988年8月.- (要約)
- W. B. イェイツの物語詩「二人の王」(原題"The Two Kings",1912年作)を取り上げ,この作品のもとになっているアイルランドのエティーン伝説をイェイツがどのように改作しているかを分析し,そのような改作を行った意図について考察した.
- (キーワード)
- イェイツ
- 研究会・報告書
- 吉田 文美 :
Jennifer Johnston の Two Moons,
イェイツ研究, No.45, 73-75, 2014年12月.- (キーワード)
- アイルランド小説 (Irish novels) / ジェニファー・ジョンストン / 『二つの月』
CALLおよびマルチメディアLL教室を使用した外国語授業の展開, --- 外国語教育FD研究会の報告を兼ねて ---,
大学教育研究ジャーナル, No.2, 92-99, 徳島, 2005年3月.- (要約)
- 2003年3月17日に行われた『CALLおよびマルチメディアLL教室を使用した外国語授業の展開--全学共通教育および総合科学部における外国語教育FD研究会--』の報告をするとともに,上記研究会開催の意義と徳島大学における外国語教育の問題点などを解説した.
- (キーワード)
- Teaching Foreigh Languages / CALL / Language Laboratory
- (徳島大学機関リポジトリ)
- ● Metadata: 82378
(徳島大学機関リポジトリ: 82378) 吉田 文美 :
イズールトへの私信としてのPer Amica Silentia Lunae,
イェイツ研究, No.34, 82-83, 大阪, 2003年9月.- (要約)
- 日本イェイツ協会第38回大会第2日目のシンポジウム「Per Amica Silentia Lunae を読む」の報告書.W·B·イェイツのエッセイ Per Amica Silentia Lunae (1917) が,イズールト·ゴンにあてて書かれていることに着目して,このエッセイの性格について考察した.このエッセイについては,当時イズールトを望ましい結婚相手の一人と考えていたイェイツが彼女の気を引こうとして書いたものという解釈もなされているが,むしろイズールトに対する教育的な意図のもとに書かれた可能性が高いと指摘した.
- (キーワード)
- イェイツ
イェイツの歴史観と現代アイルランド作家の歴史観の相違, --- ジェニファー·ジョンストンを中心に ---,
徳島大学·教育研究学内特別経費による研究報告書, 1-10, 徳島, 1991年.- (要約)
- 平成3年度の学内特別経費による,イェイツと現代アイルランド女性作家の関連についての研究報告書.具体的な研究例の一つとして,1992年のIASAIL International Conference での発表原稿"A Decaying Hidden Tree--On Jennifer Johnston's Fool's Sanctuary--"(英文)を掲載している.
- (キーワード)
- イェイツ / ジェニファー·ジョンストン
List of EFL and ESL Textbooks, Teaching Materials and References Used for This Project,
英語教材の分析と改善の視点/平成元年度文部省·教育方法等プロジェクト実施報告書, 171-181, Naruto, Oct. 1990.- (要約)
- 鳴門教育大学言語系英語講座において,平成元年度文部省教育方法等プロジェクトとして行われた研究で,使用·参照されたEFL(English as a Foreign Language)およびESL(English as a Second Language)の教科書·教材をリストアップし,報告書「英語教材の分析と改善の視点」に掲載した.
- (キーワード)
- ESL / EFL
- 特許
- 研究者総覧に該当データはありませんでした。
- 作品
- 研究者総覧に該当データはありませんでした。
- 補助金・競争的資金
- 研究者番号(30210678)による検索
- その他
- 研究者総覧に該当データはありませんでした。
2024年12月20日更新
- 専門分野・研究分野
- アイルランド文学 (Irish Literature)
英文学 (English Literature) - 所属学会・所属協会
- 国際アイルランド文学協会日本支部
日本イェイツ協会
日本英文学会
日本エミリ·ディキンソン協会
中国四国支部
岡山英文学会
徳島大学英語英文学会
鳴門教育大学英語教育学会 - 委員歴・役員歴
- 国際アイルランド文学協会日本支部 (学会理事 [1996年9月〜1999年8月])
- 受賞
- 研究者総覧に該当データはありませんでした。
- 活動
- 教務委員会委員 (1997年4月〜1998年2月)
支線ネットワーク運営委員 (2000年4月〜2001年3月)
教育用サブシステム運営委員 (2000年4月〜2001年3月)
教務委員会委員 (2003年4月〜2004年3月)
広報委員会委員 (2003年4月〜2004年3月)
英文概要編集専門委員会 (2003年4月〜2004年3月)
コース副代表 (2005年4月〜2006年3月)
コース副代表 (2006年4月〜2007年3月)
学生委員会委員 (2007年4月〜2009年3月)
全学共通教育運営委員 (2008年4月〜2010年3月)
入学試験委員会委員 (2013年5月〜2015年4月)
教務委員会委員 (2017年4月〜2018年3月)
国際交流委員会 (2019年4月〜2021年3月)
2022年8月7日更新
2024年12月21日更新
Jグローバル
- Jグローバル最終確認日
- 2024/12/21 01:30
- 氏名(漢字)
- 吉田 文美
- 氏名(フリガナ)
- ヨシダ アヤミ
- 氏名(英字)
- Yoshida Ayami
- 所属機関
- 徳島大学 准教授
リサーチマップ
- researchmap最終確認日
- 2022/8/7 01:50
- 氏名(漢字)
- 吉田 文美
- 氏名(フリガナ)
- ヨシダ アヤミ
- 氏名(英字)
- Yoshida Ayami
- プロフィール
- リサーチマップAPIで取得できませんでした。
- 登録日時
- 2009/7/16 00:00
- 更新日時
- 2022/7/26 06:39
- アバター画像URI
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- ハンドル
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- eメール
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- eメール(その他)
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- 携帯メール
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- 性別
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- 没年月日
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- 所属ID
- 0344009000
- 所属
- 徳島大学
- 部署
- 総合科学部
- 職名
- 准教授
- 学位
- 文学修士
- 学位授与機関
- 岡山大学
- URL
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- 科研費研究者番号
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- Google Analytics ID
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- ORCID ID
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- その他の所属ID
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- その他の所属名
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- その他の所属 部署
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- その他の所属 職名
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- 最近のエントリー
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- Read会員ID
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- 経歴
- 受賞
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- Misc
- 論文
- 講演・口頭発表等
- 書籍等出版物
- 研究キーワード
- 研究分野
- 所属学協会
- 担当経験のある科目
- その他
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- Works
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- 特許
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- 学歴
- 委員歴
- 社会貢献活動
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更新
- 研究者番号
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- 所属(現在)
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- 所属(過去の研究課題
情報に基づく)*注記 - KAKEN APIで取得できませんでした。
- 審査区分/研究分野
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- キーワード
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研究課題
研究成果
共同研究者