トップ注目研究子実体形成誘導技術を応用したマツタケ栽培技術の開発(阪本鷹行)
カテゴリー バイオ、農学、生物、食品、バイオ
代表研究者 阪本 鷹行
関連する研究者   下北 英輔   刑部 敬史   櫻谷 英治
研究概要

マツタケの菌床栽培において、培養物あるいは子実体との脂溶性成分を比較し、菌床生育時および子実体形成の指標となる化合物を探索する。また、他のキノコ類で知見のある子実体形成誘導条件の精査に加えて、キノコのモデル生物であるウシグソヒトヨタケの子実体形成に関する知見を基にマツタケの子実体形成誘導を目指す。

キノコは我が国の食文化に深く根付いており、一部の食用キノコについては人工栽培も盛んに行われている。徳島県は菌床シイタケ生産量において十年連続全国一位であり、キノコ菌床栽培に対して寛容かつ意欲的である。しかし、マツタケに代表される菌根菌については、ホンシメジ以外の菌床栽培成功例が無い。また、マツタケは他のキノコ類と比べて菌糸の成長が著しく遅く、菌床作りに時間がかかるなどの課題がある。一方、近年行われているマツタケの栽培研究のほとんどはアカマツ等に人工的に共生させる二員栽培であるが、これも生産には至っていない。

キノコ類の子実体誘導については低温条件や乾燥、栄養の枯渇、雷によるショックなど、ストレス条件下に置くことで誘導されるという報告がある。一方、食用キノコを含むキノコ類全般において、脂肪酸などの脂溶性化合物についての研究はマツタケの香り成分を除いてほとんど進んでおらず、形態変化に関する脂質組成変化等の知見はまだ無い。そこで、本研究ではマツタケ菌糸の菌床栽培時、液体培養時、および子実体における脂溶性化合物の解析を行い、マツタケの生活ステージにおいて指標となり得る化合物の探索を試みる。さらに、得られた化合物において菌床に暴露するなどし、子実体形成への関連性を調べる。また、従来のキノコ子実体形成誘導ストレスに加え、ウシグソヒトヨタケなどで明かされた関連因子についてもマツタケへの応用を試み、子実体形成を目指す。

 

■ 研究終了後の成果(見込み)

本研究では、マツタケにおける子実体形成誘導の指標を明らかにします。これを応用することで、ポルチーニやトリュフなどの高級食材の他、これまで市場に上がらなかった希少なキノコの人工栽培研究も促進することが期待されます。

 

研究クラスターNo.1701003
https://cluster.tokushima-u.ac.jp/new-cluster-list/764.html

研究者の役割分担 阪本 鷹行(マツタケの栽培および全体の総括)
堀 勝(マツタケの栽培)
下北 英輔(マツタケ菌床の作製)
刑部 敬史(ウシグソヒトヨタケの分子育種)
櫻谷 英治(マツタケの栽培)
研究期間 2017年4月1日〜2020年3月31日
産業界へのメッセージ 菌床によるマツタケ栽培技術は、ポルチーニなどの針葉樹共生キノコへの応用も期待できます。また、遺伝子機能をマーカーとすることで、キノコ全般に共通した栽培指標を設けることができます。

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