カテゴリー | バイオ、農学、生物、バイオ |
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代表研究者 | 音井 威重 |
関連する研究者 |
竹本 龍也
三戸 太郎
谷原 史倫
平田 真樹
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研究概要 | 近年、遺伝子改変動物作製手段として、胚性幹細胞(ES細胞)等を利用せずに、幅広いゲノムの改変を可能とするゲノム編集技術が急速に発展しています。我々は、このCRISPR-Cas9を用いて受精卵の段階でブタの遺伝情報を簡便に書き換える手法(GEEP法)を世界で初めて確立しました。一方、糖尿病人口は増加の一途を辿り、人類の克服すべき最重要課題の一つですが、生理学的・解剖学的にヒトに類似したブタを用いた糖尿病疾患モデルが作製されれば、糖尿病研究は飛躍的に進展することが期待できます。本研究は、膵臓形成に関連するPancreas duodenum homeobox 1(PDX1)遺伝子をノックアウトした”糖尿病モデルミニブタ”を作製するほか、豚のインスリン遺伝子を標的としてGEEP法を用いた点変異導入による”ヒト型インスリン産生ブタ”の作製、さらに蛍光タンパク質遺伝子のノックイン法を開発することにより、“光る膵島をもつブタ”の作製を目指しています。特に後者は、膵島細胞の機能解析に用いられるほか、移植用膵島の技術開発に有用と思われます。本クラスターは、昆虫からブタと幅広い発生・生殖工学研究集団を構成し、本研究課題を通じて、これら問題点を解決するとともにゲノム編集ブタを作製しています。 ■ 連携する学外機関 本事業において連携する学外機関は特になく、事業以外においては、他の遺伝子を対象に再生医療を含む臓器・組織提供動物としてゲノム編集豚を活用した共同研究を、また、遺伝子バンクとして実験動物提供企業との連携を行っています。今後も製薬・化粧品関連、再生医療等の企業との連携を広げたいと思っています。 ■ 研究終了後の成果(見込み) 成果は、(1)膵臓形成に関連するPDX1遺伝子をノックアウトした”糖尿病モデルミニブタ”、(2)ブタのインスリン遺伝子に点変異導入した”ヒト型インスリン産生ブタ”、(3)傾向タンパク質遺伝子のノックインによる”光る膵島をもつブタ”の作製とそれら系統の確立を目指しています。
研究クラスターNo.1701001 |
研究者の役割分担 | 音井 威重:研究の総括、ゲノム編集ブタの作製 三戸 太郎:蛍光タンパク質遺伝子ノックイン法の開発 竹本 龍也:ガイドRNAの評価 谷原 史倫:GEEP法を用いたブタ受精卵作製法の確立 |
研究期間 | 2017年4月1日〜2020年3月31日 |
産業界へのメッセージ | ブタ受精卵にゲノム編集を行い、ダブルマッスル豚や膵臓欠損豚等これまで7種類の表現形質の異なるノックアウト豚を作製しています。技術的にほぼ確立しているため、再生医療等に活用できる遺伝子改変豚の作成が可能です。 |